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Japan Federation of Milk Processors Co-operatives

中小乳業の社会的位置付けと役割
 

 日本の乳業者の多くは、酪農家が自家で生産した生乳を処理し、近隣の家庭等に販売する中で乳業者として出発しました。その後、食生活が変化し牛乳の需要が拡大する中で、処理規模を拡大し酪農兼業から乳業専業へと発展してきました。
 この成立過程をみると、乳業者の多くは、地域の中で生まれ、地域経済の発展によって成長してきた地域産業として位置付けることが出来ます。

 もちろん、戦後の高度成長の中で食生活が大きく変化し、牛乳の需要が急激に拡大する中で、乳業者の中には全国を対象にした大手乳業者、総合食品産業として変化したもの、あるいはブロック単位での市場を対象にした準大手乳業者に発展したものもあります。
 しかし、処理規模からみるならば、中小乳業が過半を占めているのが日本の乳業界の実態です。
 このように、中小乳業は、地域農業と密接に係わりながら、地域経済の一翼を担う中で発展してきました。これらの中小乳業が果たしている社会的な役割を整理してみると、以下のようにとりまとめることが出来ます。


地域内酪農との共存共栄

 中小乳業の多くは、原料となる生乳を工場が立地している周辺の酪農家に依存しており、地域農業と深いつながりを持った企業として存在しています。
 中小乳業は、単に牛乳・乳製品の製造者としてではなく、地域酪農と地域の消費者を結ぶ産業として位置付けることが出来ます。

安全で良質な食料の供給
 中小乳業は、地域で生産された生乳を、地域で加工し、牛乳として地域の家庭に供給しています。地域で生産される生乳は、地域農業として消費者の顔が見える中で安全性と優れた品質を目指して生産され、その生乳を原料とした中小乳業で生産される牛乳は、まさに地域農業と地域の消費者を結んで、地域の健康を支える食品として存在しています。
学校給食用牛乳の供給と学校教育の場の提供

 学校給食は、成長期の児童・生徒を対象にして、健康な身体と体位の向上を図るほかに、栄養的にも健康的にも優れた日本型食生活を次世代を担う子供たちに継承させる役割があります。この学校給食に対する牛乳供給という役割の多くは、歴史的にも、また地域に根ざし、きめ細かな対応ができるという特性からしても、中小乳業が果たしています。
 また、小学校等の社会科見学において、中小乳業が工場見学の受入先としての役割を果たし、子供たちに身近な牛乳という食品を通して、産業の果たす役割を教える教育の場の役割も果たしています。