日本の乳業者の多くは、酪農家が自家で生産した生乳を処理し、近隣の家庭等に販売する中で乳業者として出発しました。その後、食生活が変化し牛乳の需要が拡大する中で、処理規模を拡大し酪農兼業から乳業専業へと発展してきました。
この成立過程をみると、乳業者の多くは、地域の中で生まれ、地域経済の発展によって成長してきた地域産業として位置付けることが出来ます。
もちろん、戦後の高度成長の中で食生活が大きく変化し、牛乳の需要が急激に拡大する中で、乳業者の中には全国を対象にした大手乳業者、総合食品産業として変化したもの、あるいはブロック単位での市場を対象にした準大手乳業者に発展したものもあります。
しかし、処理規模からみるならば、中小乳業が過半を占めているのが日本の乳業界の実態です。
このように、中小乳業は、地域農業と密接に係わりながら、地域経済の一翼を担う中で発展してきました。これらの中小乳業が果たしている社会的な役割を整理してみると、以下のようにとりまとめることが出来ます。
|