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Japan Federation of Milk Processors Co-operatives

平成28年度事業計画
 
I. 基本方針

 
 本年の我が国経済は、好調な労働市場による雇用増加が見込まれる一方、実質賃金は伸び悩み民間消費が低迷するなど、景気全般は緩やかに回復するものの力強さに欠けている。このため中小企業への景気全般の恩恵波及は難しいものと予想される。政府の、GDP600兆円をめざす新たな成長戦略の実行が期待されるところである。

  酪農業界では、国の新たな酪肉近代化方針に基づく取り組みにもかかわらず、生乳生産基盤の弱体化は、離農、経産牛頭数減少、後継者不足にみられるとともに、これに初妊牛相場暴騰による後継牛不足という事態が加わり、そこからの脱却の困難さが増しているように見受けられる。 このような状況を背景に、生乳取引に関して、入札取引が試行的に実施されることとなったほか、政府の規制改革会議が「指定団体制度廃止」を提言したことについて、議論が噴出している。

  他方、乳業界では、平成28年度の生乳生産は減少の見込みであり、特に都府県では夏場の大幅な需給ひっ迫が懸念される。 また、人口減に伴う消費構造の変化、消費者ニーズの多様化がますます進展し、物流費、包材等のコスト増もあって、中小乳業者にとって厳しい経営環境が続くものと考えられる。

 このような状況の下で、脱脂粉乳等乳製品の需給状況は、北海道の生乳増産と生乳の用途振替対策もあって国内生産は増加し、期末在庫の増加もみられ、現状は安定的に推移している。 しかし、酪農生産基盤の立て直しには時間がかかることから、輸入品にその一部を依存する傾向が続くものと思われる。

 このような中で、学乳事業についてみると、本会の要請活動にもかかわらず、平成28年度は大幅減額という結果となった。 この学乳事業予算には見直しの議論が付きまとっていることもあり、今後とも学乳制度や予算の存続・充実が消費者だけでなく、酪農乳業の発展にとって不可欠であるとの視点に立って、必要な予算の確保、事業内容の改善に関する取り組みを行うことが不可欠である。

 一方、学校給食用牛乳の供給価格は、全国的には適正な方向になりつつあるが、物流費や製造コストを、地域により十分に反映できないところもあり、今後とも適正化に努力していく必要がある。

 以上の現状認識と課題を踏まえ、本会は中小乳業者の利益を第一義としつつ、会員・組合員との十分な連携の下、事業を推進する。
 平成28年度事業計画の重点事項は、次のとおりとする。
 @ 学校給食用牛乳等供給推進事業に係る制度の維持・改善、平成29年度予算の確保
 A 飲用牛乳の適正な供給価格の確保、消費の維持・拡大
 B 製品原料(生乳、脱脂粉乳等)の調達円滑化
 C 経営体質強化、教育・研修等事業の推進
 D 本会の今後の在り方を検討するため、「組織等検討委員会」の発足
 EHACCP義務化に向けた動きへの対応

 また、「経営体質強化事業」として、総合衛生管理製造過程(マル総)取得のための支援、乳業再編整備等対策等を、 「共同経済・共済事業」として、共同購買、あっせんの事業等を、 「教育情報事業」として、研修・総懇談会等の開催を、会員各位と力を合わせて取組むことにより、中小乳業の経営体質の強化を図り、一層の経済的地位の向上に努める。 


II. 事業計画

学校給食用牛乳等供給推進事業の推進


(1)制度の維持、予算の確保
  学校給食用牛乳等供給推進事業の推進に当たっては、制度の存続、平成29年度予算の確保、事業内容の改善等を推進する。 牛乳消費の増進や酪農基盤強化が焦眉の課題となっているが、学乳制度はこれを支える重要な柱であることを念頭に、他団体とも連携して取り組む。 

(2)適正な供給価格の確保
 適正な学乳供給価格の確保に向けて、平成28年度の学乳供給価格の見積もり合わせの結果を踏まえ、必要に応じ、各道府県事業協同組合と会議を開き対策を講じる。


 製品原料(生乳、脱脂粉乳等)調達円滑化事業の推進
 
(1)乳業者に対する生乳の安定的供給確保
 初妊牛相場の暴騰が響き、都道府県の酪農生産基盤のさらなる弱体化が懸念され、生乳の生産減が見込まれる中で、傘下組合員からの生乳の供給確保の要請がある場合には、広域配乳等を通じて中小乳業者に対する円滑な供給について国等に要請するとともに、指定生産者団体と組合員間の生乳取引について必要な斡旋活動を行う。

(2)脱脂粉乳の調達円滑化
 脱脂粉乳の需給は、在庫が前年同期に比べて増加したことで安定的に推移し、出荷制限も少し緩和されると見込まれる。しかし、年度後半以降、予想されている生乳減産の影響等を注視するとともに、必要に応じ、適時適量の輸入、適正価格での供給等について要請していく。。


経営体質強化、教育・研修等事業の推進 


(1)総合衛生管理製造過程(マル総)取得のための支援
 
引き続き「マル総」の取得を促進するため、学乳事業実施主体から要請を受けた府県に対し、技術指導員を派遣して衛生管理技術指導・助言を実施する。

(2)ガイドラインHACCPの普及に向けた支援
 厚生労働省による「食品事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」の改正、HACCP義務化の検討など、一連の動きを踏まえ、全国中小企業団体中央会の助成事業を活用して、「HACCP義務化に向けての総合衛生管理製造過程の承認取得研修」のテーマで、マル総取得に向け、正しい知識の習得と、より実践的・具体的な取り組み方法について習得することを内容とする研修会を開催する。

(3)中小乳業者経営内容実態調査の実施
 傘下組合員の経営実態を把握し、経営体質の強化に資することを目的に「中小乳業者経営内容実態調査」を実施する。

(4)乳業再編整備等対策
 
農林水産省が推進する乳業再編整備事業に参画し、本対策の活用を計画する傘下組合員に対しては、再編整備に向けた相談、事業計画の調整等について支援する。

(5)消費拡大・販売促進
 牛乳乳製品の消費拡大・販売促進のために、Jミルクが旗振り役を務める「牛乳の日・牛乳月間」の取組推進に協力する等、酪農乳業関連団体並びに会員事業協同組合及び傘下組合員の消費拡大の取り組みを支援する。



本会の今後の在り方の検討


 本会の今後の在り方を検討するため、組織等検討委員会を発足させる。 検討期間は2年間とし、1年目は本会が取り組むべき事業について検討し、2年目はそのための組織の在り方等を検討する。


 共同経済・共済事業の推進
 
(1)脱脂粉乳、バターなど傘下組合員からの原材料確保の要請に応じて共同購買、あっせんの事業を行う。
(2)製造物責任法(PL法)対応策として、団体PL保険共済事業を行う。

 
教育・情報事業の推進

(1)教育・研修事業
 研修・総懇談会、衛生管理講習会等を開催する。 また、経営者等で構成する「21ミルク未来の会」の活動を支援する。


(2)情報提供・交換事業
 @ 農林水産省、厚生労働省、酪農乳業団体、全国中小企業団体中央会等に係る各種の情報を提供する。
 A 情報の提供にあたっては、機関誌、Eメール、ホームページ等を利用して行う。 また、会員・組合員名簿を作成し、情報交換に   活用する。


各種会議の開催


 的確かつ円滑な事業運営等を行うため、理事会、総会を開催するほか、現下の諸課題を解決するための各種検討委員会等を適宜開催する。


その他
(1)上記事業を推進するために付帯する事業を行う。